“精神科・心療内科のお薬は怖いのか”問題
精神科・心療内科のお薬に対する“否定的”なイメージ
精神科・心療内科のお薬に対する“否定的”なイメージを持っている方が多いと強く感じています。
“精神科・心療内科の薬は「怖い」「強い」「クセになる」”とを異口同音にお聞きします。
「怖い」
“こころ”に効くお薬って何なの?何だか怖い。洗脳される?薬漬けにされそう。
「強い」
一日中眠くなる。だるくなる。副作用が出やすい。副作用が出たら元に戻らない。
「クセになる」
依存性がある。飲み始めたら止められなくなる。薬がどんどん増えていく。
そんな印象があるためか、
「できれば飲みたくない」 → 「飲んだら負け」 → 「自分が弱い」 or 「自分はおかしくなった」と
考えてしまうのかもしれません。
精神科・心療内科の薬すべてに、依存性があるわけではありません
精神科・心療内科の薬が、すべて依存性があるというのは誤解です。
すべてのお薬に依存性があるわけではありません。
確かに、「睡眠薬」や「抗不安薬」の“一部”に依存性があります。
依存性のあるお薬を当クリニックでは、基本的に処方しません。
基本的にとは、他院で“すでに”もらっている方には、依存性の説明をした上で処方を続けることが多いです。
依存性のあるお薬は、その特性上すぐに中止というわけにはいかないのです。
「強い」かどうかは、使ってみないと分からないことが多いです。
お薬にはどうしても相性問題があるからです。
そのため、当クリニックでは半錠やごく少量から処方開始することがほとんどです。
何かあればすぐ連絡してもらうようにもお願いしています。
「怖い」に関しては、上記のように説明をしています。
その否定的なイメージをできるだけ解消するように努めています。
“転ばぬ先の杖” や “こころの湿布” としてのお薬
精神科・心療内科のお薬は、あくまで “転ばぬ先の杖” です。
また、精神科・心療内科のお薬を飲むことは、
自身が弱いわけでもダメになったわけではないですし、おかしくなったわけでもありません。
あくまで “こころの湿布” として内服して欲しいことも伝えています。
元気に回復したら減量中止できる可能性が大きいことを強調しています。
生活や職場の環境改善や、自宅での安静療養だけで元気になる人もいます。
それでもお薬は一時的にでも飲んだ方が、より早く回復することが多いです。
治療の“一手段”としてのお薬
もちろん、初めから薬ありきではありません。
あくまで、治療の“一手段”です。
内服せずに回復している方もたくさんいます。
お薬のいい点や悪い点をしっかり話し合って、治療の方向性を決めています。
1人で悩まず、まずはご相談ください。
診察室でお待ちしております。
院長 平田 裕